自分の死後、息子に相続財産を少しずつ渡したい
民事信託を活用したケースその2
Aさんには認知症の妻Bさんがいます。子どもがいないAさんは、自分が先に亡くなった場合に、全財産を妻Bさんに相続させ、その財産を生活費や介護費用に充ててほしいと考えています。
しかし、Bさんが認知症であるため、遺産を相続した後に適切に管理できるかが心配です。
万が一、Bさんが遺産を浪費してしまったり、誰かに騙されて財産を失ってしまうような事態を防ぐためには、どのような方法があるのでしょうか?
家族信託(民事信託)を活用した解決例
高齢や認知症の配偶者のために、遺言信託という方法を活用することで、財産管理の問題を解決することができます。
遺言信託とは、遺言書に信託の内容を記載し、相続が発生した際にその内容が有効となる仕組みです。今回のケースでは、Aさんが亡くなった際に、信頼できる親族または信託会社に遺産を信託し、必要に応じてBさんの生活費や介護費用として提供できる内容の遺言書を作成します。
遺言信託のメリット
-
安全な財産管理
Aさんの遺産は信頼できる親族や信託会社が管理するため、Bさんが浪費してしまったり、他人に騙されて奪われるリスクを回避できます。 -
必要な支援を柔軟に提供
遺産はBさんの生活や介護のために必要なときに提供されるため、Bさんが安心して暮らすことができます。
信託報酬について
-
信託会社に委託する場合
専門的なサービスを受けられる一方で、報酬が必要です。具体的な費用は事前に相談し、明確にしておくことが重要です。 -
親族が管理する場合
信託財産から月額の報酬を支払うことも可能です。親族へのお礼として、現実的な金額を設定すると良いでしょう。
遺言信託を活用することで、配偶者の財産を適切に管理しつつ、生活や介護をしっかりと支える仕組みを構築することができます。専門家と相談しながら、最適なプランを準備することをおすすめします。