税務署が見つけてくれた親の相続財産
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税務署の税務調査というのは、納税者にとってはあまり気分のいいものではないと思います。僕自身も税務署時代には税務調査で多くの納税者と面接を行ってきましたが、「どうしてウチの調査に来たのですか?」「ほかにもっと儲けている会社はあるのに」というようなことを言われることがありました。
ところが相続税の調査については、そうではないことが稀に起こるようです。相続人が知らなかった財産が税務調査によってはじめて知ったというようなことがあります。この場合、相続人にしてみれば「まだそんな財産があったのか」とういうような棚から牡丹餅のような感覚になってしまっているのだと思います。しかしこんな場合(相続人がその財産の存在を知らなかったケース)でも調査で申告漏れの指摘を受けた財産については本来支払うべき相続税に加えて加算税や延滞税といった余計な税金まで支払わなければなりません。
この部分だけを考えれば加算税を払っても受け取る財産額は増えたことには変わりありませんから相続人の方はうれしいのかもしれません。「税務署さん、教えてくださってありがとうございます。」となるようですが、実際税務署の調査官も調査で追加の税金が出ればうれしい話にはなります。調査に立会した税理士も相続人から報酬がもらえるならうれしいかも知れません。三者がめでたしめでたしとなります。が、実際そうでしょうか?
損をしているのはやはり加算税や延滞税、それに税理士立会報酬を支払う相続人の方です。本来この財産の存在が被相続人の生前にきちんと相続人に知らされていれば、税務調査を受けることはなかったかも知れません。親の財産について家族で話し合いをするのは、なかなかきっかけが難しいかも知れませんが、このようなことにならないよう家族で相続についての話し合いをして相続人がきっちりと財産の把握をしておくことをお勧めします。
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