家族信託(民事信託)を活用した相続の生前対策
相続における生前対策には、相続税の節税や相続人間のトラブル防止を目的とした方法が含まれます。一般的な方法として、遺言書や生前贈与などがありますが、さらに複雑なケースでは「家族信託(民事信託)」が注目されています。
通常の生前対策では対応できないケース
遺言や生前贈与、成年後見制度で対応が難しいケースとして、以下のような例があります:
- 自分の資産を二世代にわたって特定の人物に継承させる
- 特定の目的のために贈与した財産を使ってもらう
- 贈与は行うが、財産管理は自分で続ける
こうしたケースにおいては、家族信託が有効な選択肢となります。
家族信託(民事信託)とは?
「家族信託」は、財産を信頼できる人に預け、その人に管理や運用を任せる手法です。特に、認知症リスクに備える手段として注目されています。家族信託契約を通じて、財産所有者が将来の判断能力喪失に備え、親族等と事前に資産の管理方法を決めることが可能です。
家族信託でできること
家族信託を活用すると、以下のような目的が達成できます:
- 未成年や高齢の親の財産を代わりに管理する
- 自身が亡くなった後、二世代先の相続を指定する
- 贈与後、受贈者が無駄遣いしないよう財産管理を続ける
- 子供に贈与したことを知らせずに贈与を行う
家族信託は、高齢化社会の中で相続対策として有効な選択肢となっています。